グレープフルーツ・マーマレード

至極の大人の味、それがグレープフルーツ・マーマレードです。程よい苦みとリキュールの組み合わせが、多彩で贅沢な風味を作り出します。手間はかかりますが、ぜひ作ってみたい通の味です。

材料
グレープフルーツ:500g(1個)
砂糖:200g(40%)リキュール:少々
レモン果汁:大匙1

作 り 方

①グレープフルーツの実を流水で洗い、果皮に包丁で十字に切れ目を入れて皮を剥きます。果皮はピールに使います。
*ピールに使用する果皮の量は好みに合わせて調整してください。

②白い綿をできるだけ残さないように果皮の黄色い部分だけを剥いて、皮を千切りにします。

③千切りにした皮を熱湯に15分浸けます。ざるに入れて流水で洗い、よく絞って水切りをします。水洗いと手絞りを2~3回くり返してから、常温の水に一晩浸します。
*果皮に含まれる苦味をとるためです。防かび剤が使用されている場合は、最初に沸騰水で15分間煮沸し、この作業を2回行います。

④実は、白い綿や筋、薄皮の袋をできるだけ取り除いて鍋に入れ、③の苦み抜きを終えた皮(ピール)と砂糖を加えて煮ます。

⑤中火~弱火で、焦げつかないようにヘラでゆっくりと混ぜます。全体に茶色くなり、皮(ピール)に透明感が出たらレモン果汁を加え、水っぽくなくなったら火を止めます。火を止めるときに、少量のリキュールを加えて混ぜると、美味しくなります。

⑥熱湯消毒したガラス瓶にマーマレードを移し、蓋を閉めます。室温で冷ましてから、冷蔵庫等に貯蔵します。
<一口メモ>
マーマレードは苦過ぎると食べられません。 果皮に含まれるナリンギン、リモノイドなどの苦味成分によるもので、加熱すると可溶性となり、ジャムの中に溶けだして苦味のもととなります。
それで予め熱湯に浸けて苦味成分を溶出させて除去しますが、グレープフルーツはとりわけ苦味が強いので丁寧に取り除いてください。生の状態で皮を齧ると強烈に舌が痺れます。この苦みを覚えておいて、苦み抜きが終わったピールを齧り、痺れが弱まったのを確かめます。
また、ペクチンを固めるための酸度はレモンの1/3以下です。マーマレードの粘り気を出すには少量のレモン汁を加えて酸度を高めます。
グレープフルーツ・マーマレードは、ウイスキー、コニャック、ワインなどの洋酒を加えて、いろいろな風味を楽しむことができます。
<ミニ知識> グレープフルーツ
ミカン科ミカン亜科ミカン属グレープフルーツ種。
グレープフルーツの原種はカリブ海のバルバトス島で発見されました。ジャマイカのオレンジとインドネシアの文旦が自然交配して生まれたといわれますが、インドネシアの文旦がどうやってバルバトスに運ばれてきたのかよくわかっていません。17世紀にイギリス人のシャドック船長が文旦の種を運んできたともいいますが、グレープフルーツはバルバドスの7不思議の一つに数えられています。
いくつかの品種がありますが、果肉の色によってルビー、ホワイトと呼ばれるのが一般的です。
亜熱帯が原産のため日本での栽培には向いてなく、輸入されています。
*防かび剤について
輸入柑橘類のため、ノンケミカルの表示のないものは基本的に防かび剤が使用されています。食品安全法の基準では皮ごと使用しても安全とされていますが、マーマレードでは念のために防かび剤を除去したほうが安心です。詳しくは「輸入柑橘類の防かび剤除去法」をご覧ください。
*薬との相互作用について
グレープフルーツ類との相互作用が指摘される薬を服用している場合は、ブンタン系の果物で作られたジャムには副作用の恐れがありますので、注意が必要です。詳しくはジャムと薬との相互作用をご覧ください。