外国映画レビュー──2025年
ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング
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製作国:アメリカ日本公開:2025年5月17日
監督:クリストファー・マッカリー 製作:トム・クルーズ、クリストファー・マッカリー 脚本:クリストファー・マッカリー、エリック・ジェンドレセン 撮影:フレイザー・タガート 美術:ゲイリー・フリーマン 音楽:マックス・アルジ、アルフィ・ゴッドフリー
原題"Mission: Impossible – The Final Reckoning"。Mission: Impossibleは任務:不可能なこと。Final Reckoningは最後の船位計算の意で、前作"Dead Reckoning Part One"の後編。トム・クルーズがイーサン・ハントを演じる映画シリーズ第8作。
本作が最終作という触れ込みで、過去のシリーズ作品と登場人物も総動員。実はアレはこうだったというネタ晴らしが次々描かれるが、ほとんど覚えてないのでキツネにつままれた状況が続く。
まあ、これも最後のお祭りと割り切って見ていると、前作の自我を持ったAI=Entityが世界征服をしようとしていて、核保有国の各システムを支配して絶対者となるか、それを阻止するために核基地を互いに攻撃する最終戦争となるか。いずれも人類の破滅の道しかなく、これを阻止する唯一の方法はEntityを無効にするしかないというストーリーだけを追うのが、観客のベストの選択ということになる。
Entityによって次々と核保有国が支配され、残すはアメリカとロシアとフランス、中国だけ。IMFの指令を受けたイーサン・ハント(トム・クルーズ)がガブリエル(イーサイ・モラレス)、CIAを利用しながらこれに挑むという2時間49分のタイムレースで、究極の敵はEntityということになる。
前回のお宝、Entityのソースコードの十字の鍵、ルーサー(ヴィング・レイムス)が開発したマルウェアPoison Pill、沈没したロシア潜水艦のコアモジュールを追って、アラスカ、北極海、南アフリカを転戦するが、北極海までの説明が退屈でテンポが悪い。とりわけ海中シーンは単調で眠くなる。
アフリカに移ってからは空中戦もあってアクション映画らしくなるが、前作同様のVFXてんこ盛りにどこか既視感があって、スタントも多く、体当たり演技の出来なくなったトム・クルーズに老いを感じてしまい、『ミッション:インポッシブル』の本来の魅力が失せたことに気づく。
それでも、ここまで頑張ったトム・クルーズに「お疲れさま」と言いながら、これが本当に最終作であることを望む。 (評価:2)
