海月衛 映画帖
~映画の大海原をたゆたう~

TVドラマレビュー(外国)──1924~1970年


制作:NBC
形式:TVシリーズ
放送:第1シリーズ1966-1967年(29話)(日本1969-1970年)、第2シリーズ1967-1968年(26話)第3シリーズ1968-1969年(24話)(日本1969-1970年)

これ1枚でスター・トレックがわかる、早わかり入門盤
 『スター・トレック』のベスト盤。4話収録。邦題は『宇宙大作戦』。"Star Trek"は星間旅行。全体評は、『スター・トレック 宇宙大作戦』を参照。
 ベスト盤では、それぞれ趣向の違う4作品を選んでいるが、それぞれにスペースバトル、ヒューマンドラマ、コメディとバラエティに富む内容で、この作品の魅力が早わかり盤とでもいうべき組み合わせ。
(第1シリーズ)#9"Balance of Terror"は、ロミュラス星の戦艦との宇宙空間での1対1の戦いを描く戦闘もの。 #28"The City on the Edge of Forever"は、タイムトラベルもの。過去の地球でのカークの悲恋がタイムパラドックスとともに描かれる。
(第2シリーズ)、#34"Amok Time"は、スポックがバルカン星の婚約者に会いに行く、カーク、マッコイとの友情話。
#42"The Trouble with Tribbles"は、小動物トリブルが登場するコメディ。宇宙基地でクリンゴン艦との小競り合いがある。
(評価:3)

スター・トレック 宇宙大作戦

制作:NBC
形式:TVシリーズ
放送:第1シリーズ1966-1967年(29話)(日本1969-1970年)、第2シリーズ1967-1968年(26話)第3シリーズ1968-1969年(24話)(日本1969-1970年)

見どころはチープな宇宙船とスポック、超ミニ
 『スタートレック』の第1シリーズ、邦題は『宇宙大作戦』。"Star Trek"は星間旅行。vol.1制作#22-25、"The Return of the Archons""A Taste of Armageddon""Space Seed""This Side of Paradise"収録。vol.2制作#20・26-28、"The Alternative Factor""The Devil in the Dark""Errand of Mercy""The City on the Edge of Forever"収録。
 最初に見た時はモノクロだったが、それは家のテレビが白黒だったせい。カラーで見ると新鮮だがチープさも引き立つ。
 現在のCGやSFX技術から見ると、プラモの宇宙船とプレハブ造りのセットを使った非常にチープな作り。惑星もハリウッドの西部劇に使うオープンセットを流用したのではないかいうくらいに地球(アメリカ)的。書割も一目で書割とわかるくらいの手抜きだが、当時、スペース物としては画期的だった。宇宙船内の作りもその後に影響を与えている。
 アポロ11号が月面に降り立ったのが1969年、アメリカ人が新たなフロンティア・スピリッツを宇宙に向けた時代で、それがこの作品が人気となった理由でもある。
 内容的には文明論のテーマが多いのに驚かされる。提示される問題は半世紀後経った今も変わっていない。  命令するだけのカーク、テレパシーで何でも理解してしまうスポックなど、突っ込みどころは満載だが、マッコイとのトリオ漫才が面白い。秀でているのはスポックで、この人なしで『スタートレック』は成立しない。女性クルーの太股丸出しの超ミニ衣装も見どころか。
 #24"Space Seed"は専制主義者カーンが登場。#27"Errand of Mercy"は、クリンゴン軍が登場。アメリカの正義の押し売りを暗に批判した内容で秀逸。
(評価:3)