甘夏マーマレード
初夏のさわやかな気分が味わえる甘夏マーマレード。夏みかんほどには酸っぱくなく、ほのかな酸味と上品な甘さが口に広がります。ヨーグルトやお菓子にのせてデザートにしても楽しめます。
材料
アマナツミカン:400g | |
砂糖:120g(30%) | ペクチン:小匙2 |
白ワイン:大匙2 | 水:適量 |
レモン汁:大匙1 |
①甘夏の実を流水で洗い、果皮に包丁で十字に切れ目を入れて皮を剥きます。果皮はピールに使います。
②果皮の黄色い部分だけを残すように包丁で白い綿を取り除いてから、皮を千切りにします。
③千切りにした皮を熱湯に15分浸けます。ざるに入れて流水で洗い、よく絞って水切りをしてから常温の水に5~6時間浸します。
④実は、薄皮の袋から果肉だけを取り出して鍋に入れ、③の苦み抜きを終えた皮(ピール)と砂糖を加えて煮ます。
⑤中火~弱火で、焦げつかないようにヘラでゆっくりと混ぜ、皮(ピール)に透明感が出たらレモン果汁を加え、水っぽくなくなったら火を止めます。火を止めた後に、好みで少量のリキュールを加えて混ぜると、美味しくなります。
⑥熱湯消毒したガラス瓶にマーマレードを移し、蓋を閉めます。室温で冷ましてから、冷蔵庫等に貯蔵します。
<一口メモ>
マーマレードは苦過ぎると食べられません。 果皮に含まれるナリンギン、リモノイドなどの苦味成分によるもので、加熱すると可溶性となり、ジャムの中に溶けだして苦味のもととなります。それで予め熱湯に浸けて苦味成分を溶出させて除去しますが、同時に果皮に含まれる芳香成分もいくらか失われてしまいます。柑橘系マーマレードでは苦味も美味しさのひとつですので、甘夏の風味をあまり損なわないように適度に苦味を抜くのがコツです。
また、ペクチンを固めるための酸度はレモンの1/3しかありません。マーマレードの粘り気を出すには少量のレモン汁を加えて酸度を高めます。
<ミニ知識> 甘夏
ミカン科ミカン亜科ミカン属ナツミカンの一品種。カワノナツダイダイが正式な品種名で、1935年大分県津久見市の果樹園で川野豊さんによって選抜・育成された、ナツミカンの枝変わり種です。
枝変わり種は特定の枝だけに起きる突然変異で、この枝を挿し木して新しい品種として育てます。新甘夏、紅甘夏、立花オレンジはカワノナツダイダイの枝変わり種です。
甘夏はナツミカンに比べ、糖度が高く、酸度は低くなっています。